■必要な設備とは (補足:電気、ガス、水道など)
開店・開業のために貸店舗を借りる際、チェックしておきたいのが「設備」です。
開業するお店の種類にもよりますが、開業するにあたってはさまざまな設備が必要になります。電気、ガス、水道はどの業種であっても必要な設備です。
例えば飲食店ならば、上記の他に厨房設備、照明設備、空調設備、音響設備なども必要になります。ただ、貸店舗では居抜きでない場合、厨房設備など整っていないことがほとんどです。中には、電気、ガス、水道などすべてにおいて借りる側が工事をしないとならない場合もあります。
また、水道やガスにおいては心配ありませんが、電気については容量を確認しなくてはなりません。電気には容量があるのをご存知ですか?容量が小さい場合は増設する必要があります。ただ、中にはそういった設備スペックの増設が不可という場合もあるので、電気容量は必ず確認しなくてはなりません。
【設備スペックのチェックポイント】
1.電気の場合
お店であっても事務所であっても必要な電気。
一般家庭においては100V/30~60A程度で十分ですが、店舗や事務所となるともっと容量が必要になる場合があります。容量の大きいエアコンやIHヒーターの場合、200Vが必要になることも。エアコンの他、どのような電気設備を使用するかを考えてチェックしなくてはなりません。
2.ガスの場合
飲食店には必ず必要な設備がガスです。ガスには都市ガスとプロパンガスがあります。ガス設備が整っていない場合は工事が必要です。基本的に物件敷地まではガス会社の負担なのですが、敷地内においては使用者負担になります。1階のテナントであればそれほど工事費がかからないのですが、2階以上のテナントとなるとガス管の長さがある程度必要になるため工事費用がかさむ可能性があります。
3.水道の場合
水を多く使用する業種ならば、流れる水の量や流す水の量をチェックしなくてはなりません。不足しているならば工事が必要になり、その負担は基本的に使用者負担になります。
■設備状況によって内装工事費が大きく変わる
開業費用の中で最も大きな割合を占めるのが内装工事費です。しかし、できるだけコストを抑えて開業したいというのが本音ではないでしょうか。内装工事費用を抑えるには「設備状況」にポイントがあります。エアコン、水道、ガス、電気など既存の設備が再利用できる物件ならば、その分工事費が安く済みます。内装工事費の内訳で大きな割合を占めるのが設備費用のため、既存の設備を再利用できればその分工事費用を安く済ませることができるのです。店舗内装工事費用は坪単価で計算されます。物販店やサービスを提供するお店なら坪単価20万円~、飲食店の場合は坪単価30万円~と言われています。ただ、電気、水道、ガスなどの設備状況や空調機の有無によって、それも大きく変わってくると言えます。そういった事を考慮すれば、やはり既存の設備状況をしっかりチェックするべきではないでしょうか。
■まとめ
貸店舗を探す際は、必ず設備状況を確認することが大切です。
それを怠ってしまうと、余分な費用が掛かってしまうかもしれないからです。
電気、ガス、水道は当たり前にあるものだと思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、それがあったとしてもスペック(容量)を確認することをおすすめします。特に飲食店を開業される場合は、より入念にチェックするようにしましょう。
また、先程説明したように、スペック不足で工事が必要であっても、工事不可としている貸店舗も多々あります。スペック不足で工事が必要だと判断した場合、工事が可能なのかを事前にきちんと確認しておきましょう。契約後に「不可」と知っても手遅れです。広さや駐車場の有無の確認も大切ですが、それよりも設備状況などを確認することが先決です。