いくらかかる?テナント契約の初期費用

契約時の初期費用と相場

気に入ったテナントが見つかったら、いよいよ契約です。
テナント契約は一般的な賃貸住宅の契約とは違い、初期費用が大きく異なります。
そこで、テナント契約の初期費用の相場を説明していきたいと思います。

【テナント契約の初期費用】

1.保証金

契約後、仮に賃料を滞納した場合に、滞納分を補う保険的な立場が「保証金」です。
この保証金は賃料の10ヶ月分が相場だと言われています。
もちろん、物件によってさまざまです。
例えば10万円の賃料のテナントである場合、保証金だけで100万円支払うことになります。
この保証金は、テナントを借りている間滞納がなければ、退去する場合に全額返還されるのかといえば、そうではありません。
保証金には償却分というものがあり、物件ごとに規定されています。
例えば、保証金の償却年○%、解約時償却○ヶ月と規定事項として記載されているので、きちんと確認しておく必要があります。
償却が規定された物件は徐々に減りつつありますが、まだ規定されている物件もあるので注意が必要です。

2.礼金

礼金は貸主(テナントを所有している人)に対し、テナントを貸してもらうためのお礼として支払うものです。
こちらは契約解除時に返却されることのないお金です。
しかし、最近では礼金ゼロを謳っている物件が増えて来ています。
礼金の相場は賃料の1~2ヶ月ほどです。

3.仲介手数料

テナントを所有している貸主ではなく、間に入っている不動産会社に支払われるのが仲介手数料です。
物件案内から契約に至るまで借り主と貸主の間に入ってもらうための費用です。
基本的に仲介手数料は、賃料の1ヶ月分以内が上限として定められています。
こちらは解約時に返却されないお金です。

4.共益費・管理費

テナントの共用部分の水道光熱費や清掃に充てるお金が共益費です。
共益費・管理費は物件によって賃料に含まれていることもあります。
物件ごとにその金額に違いがあるので、契約時に共益費・管理費項目がない場合は、賃料に含まれているかどうか、それがいくらなのかを確認しましょう。

5.前家賃

テナント契約時には前家賃として入居の月と次月分を支払うのが一般的です。
入居月は日割り計算されますが、次月分は丸々1ヶ月分支払うことになります。

6.保険料

テナントは火災保険などに加入することが絶対条件になることがほとんどです。
火災保険・家財保険など、必要と思われる保険に加入した場合の保険料がかかります。
ただし、これは不動産会社での加入が必須ではなく、自分で個別に加入することも可能です。

賢い人は知っている、価格の抑え方

テナント契約の初期費用を少しでも抑えたい、そう考える方がほとんどだと思います。
開業にはさまざまな出費がかかるので、少しでも初期費用を抑えようと考えるはずです。
そこで、ここではどのように価格を抑えていけば良いか紹介していきたいと思います。

1.礼金・仲介手数料ゼロ物件を探す

礼金・仲介手数料がゼロというだけでも大幅に初期費用を抑えられます。
最近では礼金ゼロの物件も増えています。
例えば、テナント物件を不動産会社が所有していることで、礼金・仲介手数料ゼロが実現します。
テナント募集の項目に必ず礼金・敷金について記載があるので、ゼロ物件を探すことも一つの手です。

2.賃料を交渉する

賃料を交渉する場合は、あくまで契約が前提である場合です。
借りるか借りないか分からないのに賃料を交渉するのはタブーです。
賃料を交渉する場合は、近隣物件の相場を把握しておくことが大切です。
近隣物件の相場と比較し、賃料が高い場合は相場まで賃料を下げて欲しいとお願いできます。
また、事業計画書を提示し、賃料値下げを交渉する方法もあります。

3.改修費用や修繕費用の交渉

店舗をオープンさせるために、テナントの改修や修繕が必要な場合、
その費用の一部を貸主に負担してもらえないか交渉することも一つの手です。
エアコンやトイレ、厨房などの設備についてであれば交渉しやすいと思います。
礼金・仲介手数料、家賃などの値下げ交渉がダメな場合、こういった設備の一部を負担してもらえないか交渉してみましょう。

まとめ

テナント契約の初期費用の大部分を保証金が占めています。
保証金は全額でなくても解約時に返還されます。
他の礼金や仲介手数料があらかじめゼロの物件であれば良いのですが、そうでない場合は少しでも初期費用を抑えるために契約前に交渉してみましょう。