テナント解約、トラブルを免れるために確認すること

■解約予告期間に注意しよう

テナントを解約する際にはトラブルが起こることがあります。
トラブルを免れるためには、契約時にきちんと解約時の事を把握しておく必要があります。
それらをしっかりと頭に入れておかないと、テナントを解約しようと思った際に、トラブルになる可能性があります。
まず把握しておかないといけないことが「解約予告期間」です。
テナントが決まり、いざ契約という時には、契約内容を契約書として書面にて残します。
それと同時に不動産会社から重要事項説明を受けて、了承することになります。
物件の細かな内容をはじめ、賃料や保証金、支払い方法、物件の引渡し時期など細かな部分まで説明があるはずです。
その中には、解約時の事もきちんと明記されています。
その中の一つが「解約予告期間」です。
それはそもそも大家さんを守るための決まりです。
今現在借りているテナントから何らかの事情で移転することになったとします。
その時に借主が「明日退去します」と言ったら大家さんが一番困ります。
そこで定められるのが「解約予告期間」です。
借主は退去する数ヶ月前には退去する旨を不動産会社まで申し出なくてはなりません。
一般的に店舗や事務所で3ヶ月~6ヶ月前です。
その期間については、物件や契約内容の詳細によって違いがありますが、
初めに定められた解約予告期間をしっかり覚えておくことが大切です。

■原状回復工事の打ち合わせと立ち会いについて

テナント解約時に最も多いと言われているトラブルが「原状回復工事」です。
テナントを解約する際は、一般的に契約前の状態と同じ、要は原状回復工事をしてから返すのが一般的です。
ルールとして契約時に契約書にきちんと明記されているかと思います。
どんなに綺麗に内装工事をしたとしても、解約の際には借主負担で契約前の状態と同じように戻さなくてはなりません。
また、傷や汚れなどもきちんと修復しなくてはいけません。
そんな原状回復工事を勝手にやってしまうと、思いがけないトラブルになる可能性があります。
原状回復工事は借主負担なのだから、勝手に始めてしまって良いと考える方も多いかもしれませんが、それが仇となる場合もあります。
原状回復工事についても最初の契約時に不動産会社と相談しながら取り決めをし、それを書面に残しておくのが最善の方法でしょう。
さらに、トラブルを回避するためにも、原状回復工事については不動産会社ときちんと打ち合わせを行いましょう。
そして工事の際はできるだけ立会いのもと行う方が安心でしょう。

現状回復工事

■契約に関するお金のこと

一般的にテナント契約に必要なお金が以下のとおりです。

1.敷金

敷金はテナントの修繕費や家賃滞納の担保として大家さんへ渡すお金です。
基本的に家賃の3~10ヶ月分程度が相場ですが、中には更に高額な敷金を設定している物件もあります。
敷金は基本的に契約解約時に返却してもらえます。
ただ、返却時の物件の状態によっては、敷金から差し引かれることもあります。

2.礼金

大家さんへテナントを貸してもらうお礼として払い込むお金です。
家賃の1~2か月分ぐらいがおおよその平均金額でしょう。
礼金は敷金と違い契約解約時に返却してもらえるお金ではありません。

3.仲介手数料

テナントの多くは不動産会社が大家さんに代わって契約・管理を行っています。
そのため、テナント契約時には不動産会社に払う仲介手数料が必要です。
仲介手数料は家賃の1ヶ月分程度が平均金額です。
こちらも礼金同様、契約解約時に返却してもらえるお金ではありません。

4.保険料

テナント契約時に必ず入るのが火災保険です。
不動産会社が用意する場合もありますが、借主が別途自分で加入しても大丈夫です。

5.前家賃

テナントの家賃は基本的に前払いします。
そのため、当月分、翌月分の家賃を契約時に支払うのが一般的です。

■まとめ

テナント契約には比較的大きなお金が必要です。
契約時に支払うべきお金と、解約時に返してもらえるお金・返してもらえないお金をしっかりと頭で整理しておかなくてはなりません。
また、テナント契約のトラブルで最も多いのが「解約時のトラブル」です。
解約予告期間をすっかり忘れてしまって、退去したい時期に退去できないなんて事もあります。
それに、原状回復工事についてもトラブルが後を絶ちません。
トラブルに合わないためにも、テナントを契約する時には、すみずみまで契約内容を明確にしておいた方が良いでしょう。