■まずはコンセプト設計を決めよう
店舗開業までに必要なものは決して資金だけではありません。
開業までに準備するもので一番重要と言われているのが「お店のコンセプト設計」です。もちろん、資金計画や店舗探しも大切なのですが、開業を成功させるためにはやはり「お店のコンセプト設計」が最も重要になります。店舗開業にあたり業種は決まっていると思います。飲食店なのか、カフェなのか、それとも雑貨店をはじめとした物販店なのかは開業を考える前に決まっているものです。
ではコンセプト設計はどのような事をすれば良いのか。まず客層(ターゲット層)、来客の目的、業態をしっかりと考えましょう。ターゲットとする客層については、年齢、性別をはじめ、必要であるならば職業や年収なども考えます。
例えば「10代半ばから20代のファッションに興味のある女性」「女性OL」「働き盛りの独身男女」など具体的に想定できればより好ましいでしょう。
ターゲットとする客層を明確にすておくことで、店舗メニューや商品、価格帯が決めやすくなります。
次ぎに来客の目的です。客はどのような目的でお店を訪れるのかを考えましょう。
飲食店であればランチを目的にするのか、それともディナーを目的とするのかでも営業スタイルが変わってきます。家族での食事に利用してもらいたいのか、それとも働く男女や主婦層にランチで利用してもらいたいのかでも変わってきます。
物販店でも同じです。ターゲットとする客層がどのような目的で来店するかを考えることで集客に大きな差が出てくるでしょう。
そして業態。どのような商品を陳列するのか、どのようなメニューを提供するのか、それら価格帯などを決めなくてはなりません。同じ服飾店であっても、やや高めのブランド品を置くのか、それともプチプラ的な品を置くのかでも客層がガラリと変わってきます。
コンセプト設計の重要さを知って頂けたでしょうか。
店舗開業にあたり、まずはコンセプト設計をしっかり決めてそれから資金計画や貸店舗探しを行うことが成功の第一歩かもしれません。
■契約前にすることとは?資金融資は必ず契約前にしよう
コンセプト設計の次ぎに行うのが、資金計画と貸店舗探しです。開業にあたり一般的には、銀行や公的機関から融資を受けるものです。融資を受けるためには、開業までにいくら必要なのかしっかり計画しなくてはなりません。
また保証人が必要な場合もありますので、保証人も探しておく必要があります。
それと同時に行うのが貸店舗探しです。貸店舗によっては内装、設備にかなりのお金がかかることがあります。それを明確にしなくてはならばいため、資金計画と貸店舗探しを同時に行う必要があります。ただ貸店舗を契約する前に、資金を確保しておかなくてはなりません。仮に融資のための審査が通らなかったら開業することもできなくなってしまいます。契約前に銀行や公的機関の審査を受け、資金を確保しておけば、安心して契約をすることができます。ちなみに、銀行や公的機関では、貸店舗の情報や広告で審査を受けることができます。
■まとめ
資金さえあれば開業できるものではありません。もちろん開業することも可能なのですが、開業後に上手くいかない事が多いでしょう。今回説明したとおり、まずはコンセプト設計をしっかり決めて、それから資金計画や貸店舗探しを行うなど、開業後に成功するために準備をしっかり行いましょう。また、店舗開業には業種によって必要な手続きや資格があることも忘れてはいけません。
特別な資格が必要ない業種もありますが、特定の資格が必要な業種も中にはあります。開業に関する手続きに関しては、開業する1ヶ月前に「開業届出書」を店舗所在地の所轄税務署長に提出する必要があります。飲食店においてはそれだけでなく、さまざまな手続きが必要です。「コンセプト設計」「資金計画」「貸店舗探し(契約)」、そして「開業資格・手続き」をしっかり行い、万全の体制で開業を目指しましょう。