京町屋(京町家)は建物として京都らしい町並みを作っているだけでなく、京都の文化と歴史、哲学を物語っています。
近年、京町屋(京町家)の良さが見直されるようになりました。京町屋(京町家)は1950年以前に京都に建てられた木造の建物で、伝統的な工法で造られたものを指します。京都には古い建物が数多く残っていて、古くなると江戸時代の建物もあります。戦争でほとんど焼けなかったことが幸いして、京都市内にある京町屋(京町家)の数は約4万8000件ほどです。
古い建物なので老朽化したり、住人が高齢化して継承者が見つかりにくいことから、その数は年々減っています。空き家となって防犯上で問題になったり、歴史ある建造物が取り壊されてしまっていることも事実です。
その一方で京町屋(京町家)には素晴らしい建物がたくさんあります。京都市では「京都市京町家の保存及び継承に関する条例」が2017年に制定されました。
京町屋(京町家)を貴重な財産として保全し、次世代へと受け継ぐ取り組みが行われています。維持が難しく取り壊されそうな京町屋(京町家)は、所有者の申し出により京都市と事業者が保全に向けて支援することになりました。
京町屋(京町家)を活用することは、古都ならではの情緒ある街並みを守ることにもつながります。京町屋(京町家)は非常に魅力的な建物です。
昔ながらの家屋は天然由来のものでした。建物の素材には檜や杉、葦、麻、井草などが使われています。現代の住宅は鉄筋コンクリートや化学建材を中心とした素材で造られています。工場で大量生産できる均質で便利な素材へと移り変わったのです。合成樹脂や塩化ビニル、合板などには揮発性の化学物質が含まれています。
化学建材はシックハウス症候群や化学物質過敏症などを引き起こす原因で、人体にあまり良くない素材です。
一方、天然素材を使った家屋は身体に優しく、日本の気候に適しています。
日本には四季があり、春と秋は比較的過ごしやすい気候ですが、夏は湿度が上がって蒸し暑く、冬に乾燥して寒くなります。
木材は断熱効果と湿度を調整するはたらきがあり、夏は涼しく冬は暖かく過ごすことができます。ダニやカビにも強く、空気を綺麗に保つことができ、京町家の暮らしは快適です。
京町屋(京町家)の良さは意匠にも表れています。
一言で京町屋(京町家)と言っても様々な様式の建物がありますが、特徴がいくつかあります。建物は3階以下の一戸建てあるいは長屋建てです。
屋根は平入りが多く、建物の出入り口と並行する向きに屋根がついています。
この建物に通り庭、火袋、坪庭、通り庇、伝統的な格子、外壁や高塀などが見られます。通り庭は道に面した出入口から続く細長い形の土間で、火袋は通り庭への吹き抜け部分を指します。通り庇は道に沿って設けられた軒です。
建物の特徴は京都らしい景観を持ち、当時の生活から生み出された形態でもあります。
たくさんの良さを持ち合わせる京町屋(京町家)ですが、デメリットも少しあります。
古い建物なので老朽化していたり、造りが少し不便な箇所もあります。
これらは改修工事とリノベーションで解決する必要があります。
不具合がある部分を修繕して定期的にメンテナンスを行うと良いでしょう。
京町屋(京町家)は店舗と住居が併設している建物が多くあります。
店舗としても利用しやすい京町屋(京町家)はテナント物件として最近人気が高まっています。商家として建てられた京町屋(京町家)の場合、路面に面していることがほとんどです。京都の路地は碁盤目状になっていて、分かりやすい箇所にあるため立地条件は抜群でしょう。
京町屋(京町家)は居住空間だけでなく、貸店舗としての利用価値も高い建物です。経年美を感じられる京町屋(京町家)は京都ならではのテナントで、活用することによって景観の維持、保全にもつながります。
当店でも京町屋(京町家)物件をお取り扱いしています。
京都でテナント探しをする際は京町屋(京町家)も是非ご覧ください。